【自作レバーレス】100均部材とキースイッチでSteamとSwitchで使える無線レバーレスコントローラのDIY作成(第2回:設計・アクリル&ケース加工編)
こんにちは。自作ワイヤレスレバーレスコントローラー制作記の第2回目です。今回は素材を加工して筐体ベースを形にしていく工程をお届けします。
今回は、事前に準備したExcelでの配置設計から、アクリル天板の穴あけ、そして現物合わせによる各パーツの追い込みまでのプロセスをまとめていきます。
目次
1. Excelによる入念な配置・寸法設計
加工作業に入る前に、まずはExcelを使ってボタン配置や寸法のシミュレーションを行いました。

図面ではボタンの配置に加えて、マトリクス配線のルート(計16本)やロジックIC(74HC132)の配置スペース、バッテリーや基板が干渉しそうなエリアの目視よけなどを網羅しています。
また、図面内に張り巡らされたピンクのラインには役割があります。これは最終的に施す予定の「塗装(布袋ギター風の幾何学模様)」を見据えたものです。エナメル線の保持を兼ねつつ、そのまま塗装時のマスキングラインとして機能するように、この段階から幾何学的な配置を計算して仕込んでいます。
ICの配置スペースについて
図面の左下にはSOCDクリーナー用のロジックICを並べるスペースを確保していましたが、実際に立体として組み上げていく中でクリアランスの関係上、最終的には別の場所へと変更することになりました。このあたりの現物合わせの結末は、連載のラストである「回路実装編」で詳しくご紹介します。
2. 水冷式たけのこドリルによるアクリル穴あけ
Excelでの設計が終わったら、いよいよアクリル天板へのボタン穴(22mm)あけ加工に突入します。
アクリルは見た目が美しく仕上がる反面、普通にドリルを突き立てると摩擦熱や刃の食い込みで一瞬でパキッと割れてしまう難敵です。そこで、今回は刃先を常に水に浸しながら削り進められる「水冷システム」を構築して作業を行いました。

ドリルとドリルスタンド

たけのこドリル買いました。980円くらい。アマゾンが一番安かった。
使用した工具は、垂直に刃を落とせるドリルスタンドと、段階的に穴を広げられる「たけのこドリル(ステップドリル)」です。
加工するアクリルプレートの上に、ペットボトル(ちょうど家にあった焼酎のワンカップ)をカットした臨時の水冷用カップを設置し、その中に水を注いで作業を行います。

回転速度を落としても熱がこもりやすいため、非常に慎重に進める必要があります。穴径を20mmまで広げる段階で計4回、さらに最終ゴールの22mmに広げる最後の1段階だけで5回、それぞれドリルを止めて水を入れ替え、徹底的に冷やしながらジワジワと削り落とししました。このステップ冷却のおかげで、1枚も割ることなく綺麗な丸穴があきました。

穴の抜け際の割れを防ぐため、アクリルの下に「捨てMDF」をあて木として敷きました。ただ、たけのこドリルが進むにつれてあて木自体の穴も一緒に広げる必要があり、削るのがやや硬かった点と、少し溶けたアクリルにMDFの粉が混ざってしまい、後処理に少し手間取りました。次の「#2号機」への改善点として、最終段階の手前であて木を外すなど、別の方法を試してみたいと思います。
3. 実機パーツを用いた「1/4試作」での想定した工法の良し悪しの確認
大きなアクリル天板の穴あけを終えたら、いきなり全体を組み上げるのではなく、まずは部分的な「1/4サイズ」のテストピースを用いた試作・検証を行いました。

この段階で、組み上げていき、ボタンカバーの形状をガイド代わりにしつつ、ボタンを押したときに引っかかりやガタつきが起きないか、実際のクリアランスを徹底的にチェックします。

電気系の説明は次の回にしますが、ここではスイッチのピン穴とダボ穴を空け、ボタンが駆動することを確認。それと、プラ角帽で作る柱でボタンと天板のアクリル板とのクリアランスを確認できます。ので、ここで、押し具合とかを評価。大体思ったとおりで、成功です。
今回使用した「Kailhロープロファイルv1ピンク」は、ピン位置がアケコン専用の独自規格(豚鼻形状)になっており、遊びがほとんどありません。この現物検証によって、外枠の壁(柱)を当初予定の5mm角棒からタミヤの3mm中空プラ角棒の2段重ね(計6mm)へと変更し、内部空間を最適化する確かなデータを導き出しました。ただし、このあと、クリアランスを詰めるため、プラ角棒を5mmから、3mm*2段の6mmmに変更しました。
4. 本番用パネルへの積層・現物合わせによるセンター出し
試作検証で外枠の厚みやクリアランスの正解が確定したところで、本番用の3mm厚MDF(セリアのクリップボード)とアクリル板の加工に入ります。

アクリルとMDF基板の位置を1ミリもズラさないための工夫として、まずはExcelの設計データ通り、四隅および基準となる固定用のM3ネジ穴から先にあけて完全にネジ留め・固定します。固定穴には皿モミ(ザグリ)加工を施し、ネジ頭が綺麗に沈むようにしています。
この完全に一体化させた状態の上から、各ボタンの中心へ向けて2mmのドリルで下穴を貫通させ、本番の正確なセンターを抽出しました。ここから先ほどの水冷ドリル工法を本番パネルへ適用し、ボタンの大穴を美しくあけ進めていきました。

筐体のベース加工が完了しました。
次回はいよいよ、本プロジェクトの核となる「真鍮管ハンダレス圧着&無線基板配線編」をお届けします。ハンズマンの真鍮管を使った独自の配線システム、そしてスイッチ足穴をあける自作ジグの写真をいよいよ公開!配線後に構築したプラ角棒によるサイドボタンのギミックまで一挙に紹介しますので、お楽しみに!

