カヤック動力付加計画 細部の構想

各部の構想を記述していきます。
大まかな構成は前の記事の絵をまた貼ります。


ギア部-シャフト部-ペラ部
です。この3大部品の構想を記述します。

ペラ部

ペラの機構

ペラ部は厚み10mmか5mmのアルミ板をベースにして、プーリーx2と先に構想しているプロペラで構成します。ペラを保持しているところさえ強ければ良いので上との間は薄くしたり、パイプでつないだりで強度を落としてもいいかも。一番の課題が軸受。海水に浸からない部分はミニチュアベアリング一択なのですが、ペラ部は海水中なので絶対に使えません。セラミックベアリングとか色々錆びないものもあるみたいですが、「樹脂軸受」とかただの樹脂に見えるものも売っているので、ハンズマンに売っている樹脂パイプを軸受にしようとしています。

最終はこの様に、ベースのアルミ板にペラ部のみ、後部に軸を支える部分を設け、さらにここをカヤックのキールの後端に押し付ける長さとする。

上部は海水に浸かりませんが、プーリーベルトから海水が滴るので洗うとかのメンテナンスしやすいように、ここと長いシャウトとの連結はすぐに分解できるように作る。より単純な構造が良い。固定方法はこれでいいのか?外しやすさ用検討。
ユニバーサル・ジョイントは簡単にてにはいりますが、構造が複雑で錆びそう。メンテが大変なので使用しないことにする。
上部のベアリングはパイプの中に入れて海水の飛び散りから守る。

軸受周りはスナップリングで固定するつもり。これはドリルに軸を固定し、金切りのこの薄いやつの刃を押し付ければ溝を作成することができる。クリップリングは鉄とステンレスのものもあるが、ステンレスって錆びないはず。船とか港のロープ巻くやつとかピカピカのやつあるので。こすれると被膜ができる前に錆びるかも。

推力の伝え方

ペラの押す力はなんだかんだむちゃくちゃ強いはず。これをペラのベースで受け止める剛性の強いものが必要だが、こんな感じでペラの中心位置でキールのおしりに当たるようにすればよいと思っている。ここの数値は現物計測から値を決めています。ペラの部品の大きさや、シャフトの穴など、後ほど制作編でもっと詳細な数値が出てくると思います。ペラ部は早い段階で、ベースを木を使用して試作しまして、問題はなさそうな感じでまだ本番に使える試作はできてません。ベースを5mm厚にするか10mm厚にするか悩み中。

シャフト部

シャフト部はあまり課題もなくて深く考えてなく、今の所単純にΦ5のステンレスシャフトを950ベアリング2つで支え、内径9mm/外形11mmの以前何かを作ったアルミパイプで支えます。もうちょっと太いほうが頼りになりますが、まぁ曲がりそうもないのでいいでしょう。ベアリングは以前リールのベアリングを交換したときの古い方を洗浄したものが850とか950とかがあったので、それで仮組み立てしています。回転があまり良くないものもあるので最終は交換する予定です。

ギア部

ギア部はかなり凝ってて、楽しんでます。

ギアの必要性、減速比

草刈りエンジンは2ストで高回転型で、低回転時のトルクが全くなさそう。2ストバイクには乗ったことはないのですが、アイドリングが2000rpmとかで高回転。発進時は更に高回転に回して半クラを多めに使ってミートさせるという話で、発進するだけで4ストと違ってテクニックがいるらしいです。その代わり半クラが終わりクラッチミートしたところからドーンと吹っ飛ぶような加速が味わえる。(あぁ…2スト125ccくらいのトバイクが欲しい。)バイクとか車ならテクニック次第なので常に高回転のトルクのあるところだけ使ってかっ飛んでいけるのでよく、それが面白さですが、船で変速ギアなしの状況では非常に扱いにくそう。というわけで、色々調べてみました。

草刈り機のクラッチミート回転数は4000rpm

草刈り機は遠心クラッチで自動でクラッチが繋がります。この辺は徹底的に分解したのでよく理解している機構で、バネでクラッチシュー(というのかな?)を引っ張っていて、回転が上がっていくと遠心力でそのバネに対抗して広がっていき、外側のろうとのような形状の部品の壁と接触、若干滑りつつ外側のろうとを回していきます。このバネが手じゃとても広げられないほど、思いの外強いんです。

草刈りしていてわかったのですが、このクラッチが非常に重要な役割をしていて、油断して木に刃を当てたら、たまに回転が止まるのですが、このおそらくクラッチ部分が滑ることで人とエンジン側にダメージを与えないそういう機構のような気がします。なんで、ガッツリくっついているんではなくて気があったら同じ回転になるくらい。この発想が後のギア機構の設計のアイデアに盛り込まれます。

草刈り機のクラッチミート回転数を調べたところ(草刈り機のカタログに載っていた)、4000rpmでした。上は10000rpmくらい。バイクと同じような2ストの特性ですね。草刈り機は負荷のない空中で回転を上げだすのでこれで成り立ちます。これを船でやるとギア無しで直結だといきなりドーンと水を掻き出してピーキー。進めばまだマシですが、自作した色んな所にダメージが入り壊れそう。この辺の数字から減速は必要という判断。

クラッチミート後の使用可能回転数は4000〜10000rpm

対策案

  • 減速する。半減?1/4?1/8?
  • 滑らせつつスピードに乗せるとか必要(半クラみたいに)
  • ペラを小さいものにする
  • クラッチミート回転数を低くする→バネを弱くする

ペラ小型化に関しては、草刈りロングテールを作っていたYouTubeでは回転が伸びずどんどん小さくしていった。なので模型用のペラとかも検討している。Φ70mm近くがある。
クラッチミート回転数を落とすのは、当初はやりたいと思っていたが、後のの思いはおそらくトルクがでなくなるのでクラッチミートしたときにエンストすると思う。

減速比と使える回転数

減速比使える回転数域[rpm]
x14000-10000
x1/22000-5000
x1/41000-2500
x1/8500-1250

どこにするか?下は低いほうが良い。500rpm、でもそれに伴って上も下がる。難しい。カヤックで2馬力のペラで1250rpmでどの程度のスピードか?作ってみて考えようか。

一般の2馬力は?

一般の2馬力エンジンのエンジンの回転数をサラリと調べました。クラッチミートではなく、アイドリング〜最高回転数で、

  • トーハツ:1300〜5500rpm → ペラの回転数は500〜2000rpm
  • ホンダBF2:2000〜5500rpm → ペラの回転数は800〜2000rpm

どっちも4ストですね。海は4ストしか無いんですかね。やはり扱いやすさといい、2ストはオイルを海に垂れ流しそうだもんね。例えばギア比は2.42:1とかいうレベルなので、それで割ってます。おぉ、下は500で良さそう。x1/8か、かなりの減速。上は1250rpmその半分くらいになるが細くて抵抗のないカヤックを押すのなら半分でも十分かな?同じようなトルクを書けたら多分、競艇のボートなみにぶっ飛びそう。

ギアの位置 トランスアクセル?、ユニット化

当初のアイデアはギアはプーリー側、プーリー側に機構を集中させた方がまとまってて、使いやすい。後ろにギアがあるというのは車で言うトランスアクスル。ニッサンGTRかな?極一部の高級スポーツカーに採用。

だがしかし、これだと細めのパイプに包まれたΦ5のシャフトが10000rpmとかで高速回転することになる。恐ろしい。ここは早めに減速することで自作部分はすべてゆっくり回すようにしたい。なので一番上の絵にあるようにエンジン側にギアを位置させることにした。そこで部品がギア部、シャフト部、ペラ部と3部構成になった。このギア部だけ何種類化用意して試すとかできます。また、エンジンをモーターに換えるとか、その時用のギアとか、組み合わせで変化できそう。

ギアの実現方法 ベイトリールギア、スピニングギア、ラジコンギア

ギアの実現方法は、当初手元にあったベイトリールのギアを使うつもりであった。2つのギアでこれが7:1でちょうどいい感じのギア比。これがぴったりだったおかげで気持ちがノリノリになり、本計画が進んでいった感じである。

この絵はまだトランスアクスルの位置のもの。ギアはスプールのシャフトが入るギアが1段め、2段目は大きなハンドル位置にあるギア。そして、今まで語ってきた2ストのドッカーンなクラッチミートの課題に対応するために、リールのドラグ機構が流用できないかという検討である。リールの本体をそのまま使えば良さそうというアイデアもありましたが、色々辛いのでボディは自作という結論。ドラグ部の調整はどうするんだ?

ドラグを諦めて設計を詳細化していきました。だがしかし、このアイデアは「滑らせる」要求の実現方法を考察していくことで違う形になったため、なくなりました。

ベイトリールのギアは真鍮製で錆びやすそうで、弱そう。リールってほんと金掛かってないよね。ステラとかさえ、ステンレスとか使ってないもんね。こりゃメーカーボロ儲けだぞ。その思いがずっと懸念になって、ラジコンのギアも見に行きました。通常のタミヤとかのラジコンギアはなんて呼んでたかな?1段目のギアは金属で頑丈そうで、いくらでも種類がありました。でも穴が3mmちょっと、私は全体をΦ5mmで統一設計するつもりだったので、穴を拡大しないといけない。2個めのギアは樹脂製しかありませんでした。樹脂は削れそうで嫌。迷いましたが、何も買わずに模型屋を後にしました。Amazonではモンスタートラック用のギアが穴Φ5で使えそうでした。

あと、スピニングリールのギアも検討しましたが、エンジン側に置くと軸の角度が代わり、さらにシャフトとエンジンがシンメトリーにならないので却下でした。シャフト高速回転を許すならトランスアクスルにすればレイアウトバランスが良くなりますが、これはペラ部もプーリー系ではなくシャフトドライブにする際には良いですね。

摩擦車方式

2ストのクラッチミートの衝撃を和らげるためになにか無いかなぁ?と思っていたところ、メカ機構系の設計パターンの中に摩擦車というのがありました。要はタイヤをギアの様に接触さえて摩擦力で回転を伝えるものです。

これだ!これだと今使っているプーリーの滑車とOリングでできそうだし。このころ、近所のハンズマンにすんごい種類のOリングがあることを見てて、プーリーベルトを自分で連結するのに強度が足らなかったので、このOリングを使おうと企んでました。実際Oリングと滑車を組み合わせてみるとピッタリ。

ギアと違って噛んでないので速度が合わないうちは滑ってくれます。自動半クラです。そのうち加速していってスピードが合えば同調して回転する。なんてゆるい結合だ!車やバイクだと滑って使えませんが、船だとこれピッタリ。

小さいギアの方はシャフトに小さめのOリングを2つ使います。プーリーと違って反転します。これで反転と減速できますが、減速比が低めなので、もう1個この戸車を利用したプーリーで減速するのが最終型です。サイズが限られてるのとあまりにも小さいものはバランスが悪いので、いい感じのサイズをチョイスると、1段めの減速が3.5倍、2段めのプーリーによる減速が1.5倍の合わせて5.25倍となります。8倍に届かなくて当初の目標と違いますが、滑ってくれるし、これで試そう。ダメだったら、もう1段入れるか、ペラ側でもう1個減速する。

課題は10000rpmに耐えれるか?Oリングの摩耗はどんなものか?一日持つか?

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